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社会学理論・研究ノート-大昔の偉い人は何を考えたのかー


ベネディクトの文化論

ベネディクト(1887~1948)は、各文化には各個人のパーソナリティと同様に首尾一貫した思考行動の型を持っていると主張する。彼女は、人類の諸文化は少なからず異なった様式、価値秩序を持っており、その多様性を内面から理解することが必要であると考える。

彼女は、アメリカ南西部のブエブロ族とその周囲にいる平原インディアンの文化の対照的差異に注目する。ブエブロ族の文化は威厳と温和を理想とし感情の抑圧や緩和などをその特徴としていた。一方、周囲にいる平原インディアンの文化は、勝利と恥辱を両極端とする感情の中に生きてきた。彼女は前者をアポロ型文化と呼び、後者をデュオニソス型文化と呼んだ。

また、彼女は『菊と刀』において罪を基調とする道徳の絶対的標準を説く西洋のキリスト教文化を罪の文化と呼び、恥が強制力である日本の文化を恥の文化と呼んだ。彼女は様式主義の立場に立ち、さらに精神分析学的考察を取り入れこの特徴を指摘した。

そこでは文化のうちに制度化されている動機、感情、価値を1つの型として取り出すことが試みられた。人々のエートスに注目して文化を考察したといえよう。
by ksnksociology | 2006-06-22 05:06 | 文化論

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