社会学理論・研究ノート-大昔の偉い人は何を考えたのかー


カテゴリ:創始期の社会学説( 2 )



H.スペンサー(社会有機体論と社会進化論)

イギリスの哲学者、社会学者、ハーバード・スペンサー(1820~1903)は、コントと並び、創始期の社会学の提唱者の1人である。彼は、個人の自由と平等を重んじた自由主義的個人主義の立場を根本思想とした。 そして、『社会静学』(1850年)『社会学原理』(1876~1896)などの著作を通じて、独自の社会学を構築した。

彼の思想の背景には、社会は生物有機体と同質にあり各機能は相互に密接に連関している、また個人は社会に先行するものであるとの考えがあった。そして人類に最大幸福を実現しうる社会を理想型とし完全社会と定義した。


彼はダーウィンの進化論の強い影響から、社会有機体論社会進化論という2つの分析視座を構築した。
前者は、社会は諸個人の間の内的諸関係において1つの実在を形成するような全体であるとし、これはすなわち、完全社会の均衡-諸個人の営む社会的機能が相互に均衡を保つような状態-について考察するものである。

一方、後者は、社会の状態は諸個人の内的力を示す諸個人の活動がもたらすその時々の均衡であり、他者と競い合いながら淘汰を経て上昇していくものであるとした。これはすなわち、完全社会へ至る推進力について分析され、社会変動について考察がなされた。そこでその具体例として、軍事型社会から産業型社会へという社会の進化が指摘され、考察がなされたのである。
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by ksnksociology | 2006-04-04 05:04 | 創始期の社会学説


A.コント

「社会学」の創始者は、フランスの哲学者オーギュスト・コント(1798~1857)である。彼は著書『実証哲学講義』のなかで、ラテン語のsociとギリシャ語のlogosかsociology-<社会学>という言葉を作った。彼は、生産向上を図る応用科学として、経済学を高く評価していたが、当時の経済学の歴史性、全体性の欠如に不満を持っていた。それゆえ彼は実証科学としての社会学の成立を望み、独特の学問体系を示した。それは、社会を一つの有機的全体と捉え、全体的な立場から社会理論を構築しようとするものである。よって、彼の社会学は社会全体を包括する体系であり、綜合社会学と呼ばれた。

彼は、社会を社会静学(social statics)社会動学(social dynamics)という視座から分析しようとした。
前者は、人間が共存する社会の秩序の解明を試み、後者は、進歩の法則を解明を試みるものとされている。彼はこれら双方の視点から、複合的に社会を考察しようとした。

また、彼は社会の発展とその歴史性に着目した独自の分析から、三段階の法則を唱えた。人間社会の発達の歴史は<人間の精神の進化>によって支配され、それぞれ<神学的段階>-<形而上学的段階>-<実証的段階>という3つの段階によって説明した。そして、それに対応して社会の状態も<軍事的状態>-<法律的状態>-<産業的状態>へと
発展すると考えた。
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by ksnksociology | 2006-04-04 04:28 | 創始期の社会学説

    

大学院入試・試験用のメモ。底本…公務員試験地方上級・国家Ⅱ種バイブル⑩社会学<新装版>(早稲田経営出版)A.ギデンズ『社会学』第4版(而立書房)など、まだまだ追加予定!
by ksnksociology
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