社会学理論・研究ノート-大昔の偉い人は何を考えたのかー


カテゴリ:古典的理論( 7 )



ジンメル(形式社会学)

ジンメル(1858~1918)は、ウェーバーとともに初期ドイツ社会学を代表する社会学者、哲学者である。彼は、コントやスペンサーの考える綜合社会学に対して<特殊科学としての社会学>を主張した。そして社会実在論、社会唯名論双方を批判し、存在するのは諸個人の相互作用だけであると考えた。彼は社会学固有の研究対象として、人々の心的相互作用に着目し、人間相互の関係形式に関する科学としての社会学を構想し、独自の形式社会学を展開した。

彼は、諸個人の間に存在する相互作用が社会を構成すると考えた。特に社会を構成する相互作用を心的相互作用と呼んだ。

彼は、現実の社会は<内容>と<形式>に区分されるという。<内容>とは、国家、企業、学校などの社会集団に人々が集う目的や理由である。これら<内容>はそれぞれ異なった目的や理由をもつ集まりであるが、そこには共通した諸個人相互間の行動様式として、共同、分業、互助、交換、上下関係、競争、支配、模倣などの関係を見出せるとし、このような人間相互の関係を<形式>もしくは社会化の形式と呼んだ。

そして彼は<形式>こそが社会の本質であると考え、社会学は社会化諸形式の学であるべきだと主張し、自らの社会学を形式社会学と呼んだのである。
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by ksnksociology | 2006-04-10 18:44 | 古典的理論


ウェーバー④(プロ倫)

ウェーバーは論文『において資本主義の発展とそこに見られた社会的行為を分析した。彼は、価値や規範に方向付けられた動機付けであり、人間を内面から特定価値の実践に向けて動かすような力エートスと呼び、このエートスに着目して資本主義の発展を分析した。
そして彼は、プロテスタンティズムの倫理の中に資本主義を発展させる契機があったことを指摘し、プロティスタンティズムの持っている世俗内禁欲のエートスが、市民的資本主義形成の原動力になったと分析しているのである。
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by ksnksociology | 2006-04-10 17:20 | 古典的理論


ウェーバー③(社会的行為と支配の諸類型)

ウェーバーの提示した理念型のうち、ここでは2つの代表例を紹介する。

《社会的行為の諸類型》
ウェーバーは自らの社会学の中心概念である社会的行為行為者の主観的意味に従って他者の動作に関係し、そのプロセスにおいて他者の動作に方向付けられている行為と定義した。主観的意味とはすなわち「動機」を指している。この動機に基づき、彼は社会的行為を目的合理的行為(=目的達成のために外界の動きや他者の行動を予想するような行為)、価値合理的行為(=特定の価値に従うような行為)、感情的行為(=情緒的感情によって引き起こされるような行為)、伝統的行為(=所属する社会の伝統に従うような行為)の4つに類型化した。前者の目的・価値合理的行為は<合理的行為>に、後者の感情・伝統的行為は<非合理的行為>に区分される。

《支配の諸類型》
彼は社会的行為の意味理解の1つとして、国家、教会、企業、政党など、社会に存在する諸集団に対して、支配という観点から権力と服従について分析した。特に「人はなぜ服従するのか?」ということに焦点を当て、支配というものを3つに類型化した。
それは伝統的支配(=伝統的秩序からもたらされた権威への服従)、カリスマ的支配(=カリスマ性を持った指導者への服従)、合法的支配(=制定規制に対する服従)の3つである。そして、ここでも合理性という観点に着目し、近代的な合理的支配形態として官僚制を取り上げ分析を試みたのである。
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by ksnksociology | 2006-04-10 16:54 | 古典的理論


ウェーバー②(理念型と価値自由)

ウェーバーは、経験的な現実を比較測定する手段として理念型という枠組みを提起した。これは、現実の模範型でも、平均概念でもなく、あくまでも比較のための道具でであり、現実を相対化するための一つの尺度の役割をもつものである。
彼は近代社会を「価値の多神教の時代」と呼び、さまざまな価値が社会の中に存在し人々に影響を与えていると考えている。このような社会の中で彼は、社会科学とはあるべき理想ではなく現実にある事実を探求するものであるとし、社会政策と社会科学を区別し、社会科学的認識は価値判断から自由であるべきだとする価値自由を主張した。
この考え方は、主観的な価値理念の排除を求めるものではない。むしろあらゆる認識は主観的であり限定的であるからこそ、認識を支えている価値理念を曖昧にせず、自覚的に関係づけるべきだと主張した。この<価値自由>という自覚された価値認識のもと、<理念型>は基礎付けられるのである。
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by ksnksociology | 2006-04-10 15:55 | 古典的理論


ウェーバー①(理解社会学とは)

ドイツの社会学者、マックス・ウェーバー(1864~1920)は、デュルケムと同じく、社会学の確立に貢献した人物である。彼の関心は西欧の近代資本主義の基盤と考えられる、西欧合理主義に潜む社会現象の解明に向けられていた。

彼は特に社会的行為という視座から社会を分析した。彼は社会学を「社会的行為を解釈し理解することによって、その社会的行為のプロセス及び結果を因果的に説明する科学」と定義した。このように、社会的行為の意味や理解に焦点を当てたところから、彼の社会学は理解社会学と呼ばれる。それは社会現象を、関与する個々の人間の行為へと分解し、行為の動機へを手がかりに社会現象を因果的に説明しようとしており、社会現象を意味現象と重ね合わせながら分析しようとしたのである。
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by ksnksociology | 2006-04-10 15:33 | 古典的理論


デュルケム②(連帯・自殺論・聖と俗)

彼の主要な研究は3つある。
1つ目は1887年に著した『社会分業論』である。その中で彼は、社会は近代に至る発展段階で、機械的連帯に基づく環節的社会から有機的連帯に基づくへと移行すると指摘した。
彼によると、前近代は環節的社会である。それは、機械的連帯に基づくため、成員の等質性を特徴とする。すなわち、役割の交代が容易であり、分業は発生しない。
一方、近代は有機的社会である。それは有機的連帯に基づくため、成員の異質性を特徴とする。すなわち、役割の交代が困難で、それゆえに分業関係が成立していると彼は指摘した。

2つ目は1895年に著した『自殺論』である。彼は、当時単なる個人的問題であると考えられていた自殺を、統計を駆使することによって、自殺の原因を特殊な個人的事情や心的疾患などの個人的条件だけに求めず、自殺者の置かれた社会状況と関連付けて分析を行なった。そして、自殺を自己本位的自殺集団本位的自殺アノミー的自殺宿命的自殺の4つに類型化した。これらの類型を通して、自殺者と自殺者の置かれた社会とのかかわり合いが、自殺に大きな影響を及ぼしていることを指摘したのが特徴である。

3つ目は生前最後に著した『宗教生活の原初形態』である。
彼は宗教を通じて人々を統合する力に関心を寄せ、オーストラリアの先住民の原始宗教を取り上げ、あくまで社会的事実として宗教の社会的起源や機能の解明を試みた。
このような前提から、彼は宗教を<聖>と<俗>の集合表象であると区分した。そして、<聖>の部分における<神聖な力>こそ、個人の心理に還元できず、個人に外在し個人を拘束するもの-すなわち社会的事実と合致すると分析したのである。
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by ksnksociology | 2006-04-06 16:25 | 古典的理論


デュルケム①(社会的事実とは)

フランスの社会学者、エミール・デュルケム(1858~1917)は、コントの後を受けて実証主義の立場に立ち、本格的に社会学を一つの科学として発展させた人物である。

彼は社会的事実を社会学の研究対象として規定し、これをモノとして扱うべきだと主張した。社会的事実とは、個人の心理的事実に還元されることなく、それ自体固有の論理を持って個人に外在し、個人を拘束するものとして存在するものと彼は定義する。
社会内で諸個人が社会からの期待に添うよう行動したり、自己を規制するなかには、「社会の期待に添わねばならない」など社会内の成員に共通に抱かれた意識が存在する。この意識を特に彼は集合意識と呼び、この意識こそが社会的事実の本質であると考えた。
彼の採った立場は多くの支持者を得て、社会学主義と呼ばれるにいたった。そして後の社会学の中心概念のとなる機能主義の礎となったのである。
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by ksnksociology | 2006-04-06 16:19 | 古典的理論

    

大学院入試・試験用のメモ。底本…公務員試験地方上級・国家Ⅱ種バイブル⑩社会学<新装版>(早稲田経営出版)A.ギデンズ『社会学』第4版(而立書房)など、まだまだ追加予定!
by ksnksociology
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