社会学理論・研究ノート-大昔の偉い人は何を考えたのかー


<   2006年 06月 ( 15 )   > この月の画像一覧



クーリー(鏡に映った自我)

アメリカの社会学者、クーリー(1864~1929)は、人間が他者の反応に対する自我の反応として形成される社会的自我(social self)を有するという。このことを説明するために、彼は鏡に映った自我という概念を提示する。これは、人が他者がどのように自己を評価しているかを他者との相互作用によって、すなわち他者との相互作用を通じて知ることになると指摘する。

彼は他者を自己を映し出している鏡と捉え、この他者との相互作用とそこに映し出された反応としての他者の振る舞いを考慮することによって形成される自我社会的自我と呼ぶ。

そして、彼は社会的自我が形成される場である家族、仲間集団、近隣集団などの基本的社会集団第一次集団(primary group)と呼ぶ。この第一次集団は成員間の親密で対面的な結びつきによって成立しており、連帯感と一体感を持ち、幼児期の道徳的意識が形成される社会的基盤であり、その結果として社会秩序の形成に貢献していると指摘する。
[PR]
by ksnksociology | 2006-06-20 00:40 | 社会的自我の理論


社会的人間と社会化

人間はの集団や社会の価値や文化の影響を受けながら一定の行動様式を身につけ実践している。このことはパーソナリティの形成に深く関与している。その意味で人間は社会によって作られるという側面を持っている。

しかしその反面、能動的な自我をもった一個の主体としての人間という側面もあり、このことは人間が社会をつくる動物であるという事態をもたらすことになる。

社会によって形成されながら、その一方で社会に能動的に働きかけ社会を再形成する存在としての社会的人間がそこにあるといえる。

こうした見方からの人間の定義には、知恵ある人を意味するホモ・サピエンス、道具を作る人を意味するホモ・ファーベル、そして、古典派、新古典派経済学における定義である経済人を意味するホモ・エコノミクス、社会的役割に焦点を当てた社会学的人間を意味するホモ・ソシオロジクス、さらには、人間の遊戯に焦点を当てたホイジンハによる、遊戯する人を意味するホモ・ルーデンスなど様々な見方がある。

人間は、所属する社会固有の価値や行動様式を身につけて初めてその社会の成員となる。
所属する集団や社会の規範、価値、主観的な行動様式を学習し、内面化する過程を特に社会化(socialization)と呼ぶ。すなわち、他者との相互作用を通じて、生活習慣の確立、動機的学習、文化的価値形式の受容などがなされることを意味する。それは、発達過程に所属する集団によって大きな影響を受けることになるが、その発達は幼児期に限られるのではなく、成人しても行なわれる。幼児期においては、親や家族との同一化が中心であるが、発達に伴いその内容は拡大し複雑化する。いずれにせよ人間として社会に生きるための基本的学習過程がこの社会化なのである。
[PR]
by ksnksociology | 2006-06-19 19:15 | 社会的自我の形成


パーソナリティ・自我・アイデンテティ

ある人物の特徴的な行動パターン、態度、信念、価値などの、比較的組織化され一貫性を持った統合体パーソナリティと呼ぶ。それは一定の持続性を持っており、その人物の行動の傾性の編成であるといえる。

その一方で人間は、刺激や影響をもたらすような環境や相互作用の中におかれ、それに反応する主体的・能動的側面を持っている。特に、主体が自己の特異性や固有性を意識している主観的な領域自我と呼ぶ。自我は自分自身である証であり、一個の人間としての存在を示すものであるといえる。

そして、この自分は何者であるのかについて、持続的な同一性を持っているような感情アイデンテティと呼ぶ。これらは、自律性を持った人間の特性を示したものであり、人間理解のための基礎概念であるといえる。
[PR]
by ksnksociology | 2006-06-18 08:19 | 社会的自我の形成


シュッツ(現象学的社会学)

シュッツ(1899~1957)は、フッサールの現象学を社会学の中に応用することによって、独自の現象学的社会学(phenomenogical sociology)を展開した。社会を人々の構成した意味的世界として捉え、その主観的意味付与と、既に構成されている世界と関わりという観う点から社会現象を理解しようというアプローチ。ウェーバーの理解社会学を厳密化し、現象学に用いることで社会を再検討し、間主観的な視点から考察した。すなわちそれは、他者の行為をいかに理解できるかという問題を、行為に対する我々の意味付与活動から説明し、さらに「生活世界」としての常識的知識や日常的世界に注目することで知識社会学的な究明を行なった。

シュッツは、我々は意味的に構成された世界である間主観的な生活世界(life world)に生きていると指摘する。このような立場から彼は、日常経験のあり方を考察し、生活世界はいかに構成されるかを根源的に問うた。つまりそれは、経験の起点「わたしのいまここ」を主題化するには、「いまここ」を超越する様相を主題化しなければならないということである。


そして、彼は意味的に構成された世界には、多様な解釈が可能な重層的現実が存在すると指摘する。つまり、社会的現実が複数の意味領域からなっていることを示している。このような現実の特徴を彼は多元的現実(multiple realities)と呼んだ。それはつまり、現実とは自己体験の志向的意味措定と解釈に他ならない。

このシュッツの探求は、バーガー、ルックマンらに受け継がれ、社会学における「解釈的パラダイム」や「意味学派」として一括される新しい潮流として注目されている。
[PR]
by ksnksociology | 2006-06-18 07:52 | その他の理論


ダーレンドルフ(ホモ・ソシオロジクス)

ダーレンドルフ(1929~)は、社会学が捉える人間像として、経済的合理性を追求する人間像であるホモ・エコノミクスを念頭に置き、社会的役割を忠実に遂行する人間像としてホモ・ソシオロジクスという概念を提示する。

これは個人と社会の接点に存在する「社会的役割」に注目した1つの理念型であり、人間の社会的行動を合理的に分析、説明するための比較物なのである。
[PR]
by ksnksociology | 2006-06-18 07:40 | その他の理論

    

大学院入試・試験用のメモ。底本…公務員試験地方上級・国家Ⅱ種バイブル⑩社会学<新装版>(早稲田経営出版)A.ギデンズ『社会学』第4版(而立書房)など、まだまだ追加予定!
by ksnksociology
カテゴリ
社会学とは何か
創始期の社会学説
古典的理論
20世紀の理論(構造=機能学派)
20世紀の理論(意味学派)
現代の社会学理論
その他の理論
社会的自我の形成
社会的自我の理論
地位・役割・社会成層
文化論
学校教育と文化的再生産
社会変動論
以前の記事
お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
今はウーちゃんと一緒にい..
from 旦那様ゴメンナサイ・・・
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧