ブルーマー(1900~1987)は、
シンボリック相互作用論の提唱者として知られる。彼は、パーソンズらの<構造=機能主義>などの、人間を外的な刺激に単純に反応するとみなす安易なモデル化や、社会的価値や規範を無批判に受け入れる客体として人間を捉える理解を批判した。
シンボリック相互作用論は、自らの置かれた
状況の意味を解釈し、行為を決定する能力を持つの人間像の理解に社会の本質をみた理論である。そして、社会を<
シンボル>を媒介とした
相互行為の連鎖の結果、生じるものと理解している。したがって、固定化された社会という前提のもとで社会化された人間によって相互行為がもたらされるのではなく、相互行為が社会をもたらすと考えるのである。そこでは
意味解釈を行う主体としての人間が問題となるのであり、行為者の観点が問題となる。これを前提に経験的、社会的世界を直接検討することが、シンボリック相互作用論の視座といえる。